米代釣行<後編>

kun坊

2008年06月04日 09:47

川岸に立ったのは、午前2時半ごろ
夜中と言っても意外と明るくて、
確認できるだけで、私の上流側に3人!下流側に3人!
そして、対岸には既に腰まで浸かっている人が2人!




川に背を向けて、
ライトを点けてロッドガイドにラインを通す。
ひとつひとつ、ゆっくりゆっくりと・・・
出掛ける前に、せめてラインだけでも新しい物を!と
急いで巻き替えて来たラインの先端をチェック。
ふたヒロ・・・・・キズが無いのを確かめる。
そして、入念にビミニツイストでダブルを組む。
先端のダブル部分に、さらに縒りを入れてスナップ!

いつもと変わらぬ手順で淡々と準備をしているうちに、
何だか、言い様の無い興奮が湧き上がってくる。
今現在、果たして何人の釣り人がこの米代の河岸で、
同じ時間と同じ想いを共有しているのだろう?

あれこれと考えているうちに

 対岸から ヒュッ! とキャスト音が聞こえた・・・

オイオイ、何だよ! まだ薄暗いじゃないか?
すると、その第1投を合図にして
待ってましたとばかりに、上・下流で次々とキャストが始まった!

時刻は3時半・・・
正しく今、2008年サクラマスの最終章が開幕したのである。



流れも、ヨレも、何も考えず・・・・・
暗闇の中で、ただただ対岸に向かってルアーを飛ばす!
[ TAKUミノーDeep(赤金) ]が
小気味良い振動を右手に伝えてくる・・・

幸いにも私の下流側の釣り人までおよそ30m
多少はラインを流しても、クロスする事は無いだろう。
クロスストリームから完全なダウンストリームまで、
1投ごとに少しづつポジションを変えて振りぬく!

突然! ググッ!!と重くなった・・・

グンッ! と反射的に合わせを入れる!!!

グッグィーーーーーン! と重量感は有るが、生命感が無い。

寄ってきたのは、折れた50cmほどの小枝だった・・・
それからは、1投ごとに草の葉や小枝がフックに絡みだしたのだ。

少し、気分を変えるためにルアーチェンジ!
今度は[ 蝦夷90F グリーンチャート ]
飛距離は落ちるが、流芯の向こう側まで飛んでいるので良しとしよう。

それから、もう一度クロスからダウンまでひと通り流す。
だんだんと明るさが増してきて、
対岸の釣り人の顔まで確認できるようになった。
いつの間にか、上流にもう5人!釣り人が増えていた。

この場に居る全員が、
次の1投でのヒットを信じて、黙々とキャスティングに集中している。

私は、集中力が一旦切れて ハァ~と大きく溜め息をつき、
そして、手を休めて川に背中を向けながら
スナップから蝦夷を外して次のルアーを物色した。

赤金 → グリーンチャート → ???

今度は何が良いだろうと、ケースの中を掻き回す。
そして選んだのは・・・・・
[ シュガーディープ90F シルバーメタリック和田SP]
何となく、薄暗い川水の中で、このメタリックなルアーが
キラキラと綺麗に泳ぐ姿がイメージ出来たのである。

対岸に向かってフルキャスト!岸までもう少しで届きそうだ。
流芯を横切る時に一気に下流側に引っ張られる。
なかなか、強い流れが深いところにもあると想像できた。

今度はもう少し下流側に大遠投・・・
隣の人のライン角度から、まだ大丈夫と考えて
素早くスプールからラインを引っぱり出してダウンスルー!
たぶん、ルアーは隣の人の正面あたりから
完全な逆引き状態になるだろう・・・・・

ここで、軽く1m半ほどのジャーク! と言っても、
メバリングで言うスィープ的なアクション。
ルアーのブリブリ感をロッドティップで感じるイメージ。
スウィープで1m半ほど上流側に倒したロッドを
下流側に戻すと同時にラインスラッグを素早く巻き取る。
そして、またスィープ・・・・・

私がイメージしているのは、
流芯の中で、完全逆引き状態でのストップアンドゴー♪

3回目のスィープの後、ゆっくりとリーリングをして2・3回転目


   ゴヅッゴゴン ゴゴゴッ! 

ロッドティップが ギュギューーーン!と引っ張り込まれた。

思わず上流側にロッドを煽る! グググッ!

 良し! 乗った!  

    キタァーーーーーー!!!!! 思わず叫んでいた!

グンッグンッ! グングングン!!!

                間違い無いサクラマスだ!




と・・・

  ザッパーーーーーン! 

まるでイルカの様に、もんどりうっての大ジャンプ 一発!

ウォーーー!? ▼※○□×■・・・・・

ジジジィーーー!  ラインが引っ張り出される。


少しずつ少しずつ、ゆっくりと引き上げながら
ラインスラッグを取りつつ、魚との間合いを詰めていく。

すると、予想以上に早く足元まで寄ってきた!
まだランディングネットの準備が出来ていないのにだ・・・・・

焦りながら、背中に手を回して留め金を外した。
今度はネットを束ねているベルトを外さなければならない。。。

足元では、横になりながらも未だに 

 ガバッ! ゴボッ! ズバババッ! と

なかなかファイトが止まない。
もう一度ぐらい沖へ出てくれた方が楽なのに・・・と思ったら、
ゆっくりと沖へ向かって泳ぎ始めた。
しかし、流れに逆らって激しく突っ込むほどの体力は無くなっていた。
私は、素早くしゃがんでネットを持ち直し、
そっと、本当に そっと・・・
ラインにテンションをかけて、魚をこちらに向かせた。
すると、流れも手伝ってスルスルとこちらへ寄ってきた。
私は、躊躇なく一発でネットインした・・・・・


へなへなと膝が崩れ、その場にしゃがみ込んでしまった。

我にかえり、ヨロヨロしながらバッグからカメラを出して 一枚!
その時になって、あらためて気付いてびっくりした事に、
まだフラッシュが必要なほど、辺りは暗かったのである。







魚名  櫻   鱒
長寸  56cm
重量  1.7Kg
河川  秋田県 米代川
    ( H 上流 )
月日  平成20年 6月 1日
時間  午前 3時 50分

ロッド  シーマ CM-X 862HFS
リール  ダイワ セルテート3000
ライン  ダイワ ジャストロン 10lb
ルアー  バスディ シュガーディープ 90F
( 和田スペシャル シルバーチャート )


その後、雨足が強くなり釣りを続けることが出来なくなったので休憩。
主だったポイントを回り、ポイント・PLでは小一時間程振って、
米代川最大の激戦区、F川合流点や青橋上流などを見て回り。
最後に、二ッ井にある釣具店で
サクラマスのカラーコピーを撮ってもらい帰路に着きました。
(ここでは、魚を持ち込むと無料サービスでコピーを撮ってくれる)








「一緒に行かない?」
Kさんのひと言がなかったら、この幸運を手にする事は無かっただろう。
今度、解禁日が日曜日と重なるのは、早くても2014年だ。
もちろん、その時にサクラマス釣りを続けているかどうかは?

声をかけてくれたKさんに深く深く感謝します・・・

そして、初めて訪れたにもかかわらず
素敵な贈り物をくれた・・・聖地「米代川」にも心からの感謝を♪


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