出逢いの記録回想

kun坊

2010年03月25日 11:32

 
 今朝は、この時季には珍しいほどの本格的な雪が降っています

 不安定な天候を象徴するような空模様ですね

 だって、もう春のお彼岸も過ぎているんですから・・・


 今朝も「朝駆け」しようと思っていたんですが、流石に諦めました。

 こんな日は、ジックリと身体を休めて一呼吸入れろ! ということかな?


 なので、

 ネタも無い事なので・・・・・

 いつかやりたいと思っていた、釣行記の再投稿!をしてみましょう

 以前に書いた物を、少しだけ手を入れ直してアップします。


 なにぶん、古い物なので書き方にも慣れていなくて読み難いかもしれませんが?

 いつものように、軽い気持ちで読んでみて下さいませ・・・




『サクラマス釣行記』 《出逢いの四》

つい先日までは、5時過ぎに起きても<夜明け>に間に合ったのに・・・
午前4時20分にアラームをセットするようになって、今週3日目の朝が来た。

いつものように身支度を整え、
まだ暖まっていないエンジンを労わりながらも、ついアクセルに力が入る。。
25分後に現場に到着し、薄暗いあたりを見回すが今日も先行者は居ない。
一番乗りとわかっているのにタックルの準備がもどかしい、
ガイドにラインを通す手が震えている。
もう何百回も経験していることなのに・・・・・
一投目をキャストする前は、
今日こそ釣れる!という自分勝手な自信と、
本当に〝彼女〟は居るんだろうか?という僅かな不安で、
心臓が爆発しそうだ。。。

ポイントを目の前にして深呼吸を一回、今朝の一投目は何に願いを託そう・・・・・
まずは、遠投がきき広範囲を探れるスプーン! 
それも泳ぎが気に入ってる<マソーの赤金>だ!
キャストしては、スローリトリーブ。。 
丁寧に、丁寧に・・・・・スプーンのウォブリング手に伝わってくる。
流芯、流芯のきわ、ボトム、ブレイク、ストラクチャー。
すでに、50投は超えている。 いったい〝彼女〟は何処に居るんだ!!

ポイントを移動して気持ちを入れ替える。
ここは足場が悪く、もし魚が掛かったらどうしようか?
 と、いつもランディングポイントを悩んでいる場所。。。
流れが速くて、スプーンでは浮き上がってしまう。
水深3メートルはあるだろう、
出来ればボトムから50センチ、水深2メートル以上のレンジを通したい。
足元から急に深くなっているし、遠投の必要が無いので、ミノーをチョイス。
ローリング系、ウォブリング系、いろいろと替えた後、
どうもイメージ通りにいってないような気がした。
イメージとしては、もっと派手な動きが欲しかったし、もう少し潜って欲しかった。

そして選んだのが、シュガーディープ90F カラーは赤金!
アップ、アップクロス、ダウンクロス、ダウン。。。
ひと通り通してみるが、反応は無い!
竿先を下げて、もう少し深いレンジを通してみると、
時々ボトムを叩く感触が伝わってくる・・・限界か?
集中力が途切れてきて、惰性でキャストしはじまった・・・・・・俺自身も限界・・・・・か?
もう一度、ポイントを変えよう・・・。
そんな、気持ちのままキャストを続けていた・・・。。

その時、かすかに感じた竿先の違和感。。
考えるよりも先に体が反応していた。
それは、違和感の原因が何なのかを確認する行為、もっとラインにテンションを・・。
ククン・・・・・生体反応!?
すかさずフッキング! 
テンションをそのままにもう一度フッキング! 乗った・・・!!!
そいつは、水面下 確実に俺と繋がった・・・・・・・。。

さて、これからだ。。
まずは二度、三度と、まるでいやいやをするように頭を振っている。。
本命だっ!待ちに待った〝彼女〟だっ!
上流に向かって、一気に走ろうとしている。。
ロッドはもうすでにバットから弧を描いて〝彼女〟の走りを止めようと踏ん張っているし、
それでも止まらない勢いに、ドラグがジリジリと悲鳴をあげている。  
早く逢いたいと思った。
その時、 水面に〝彼女〟が現れた・・・・・・・。。。上目づかいにこっちを見ている。
産卵のための遡上を、邪魔するのは誰だ! と言わんばかりに・・・。

その銀色の魚体に見惚れていた、次の瞬間! 
鳥肌が起った・・・・・・見なければよかった・・・。
なんと、〝彼女〟との接点は2本あるトレブルフックのテール側、
それも3つあるポイントの・・・たった一つ。。。。。
今まで、こちら側にあるだろうと思われていた主導権が一気に逆転!
無意識のうちにドラグに手をかけていた。
必要以上のテンションをかけたく無かったからだ。。
幸いにも〝彼女〟は、そんな状況を知ってか知らずか、尚も上流を目指している。
あとはもう、真っ白な状態でのやりとりだった・・・・・。。

もし、あの時下流側に反転されたら・・・・・。

もし、あの時ジャンプを試みられていたら・・・。

もし、あの時トラウト類特有の、ローリングをされていたら・・・。

この手に様々な感触だけを残して、
〝彼女〟は消え去っていただろう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ランディングネットの中に荒い息づかいで横たわる〝彼女〟が居た。。。
まぎれもない『 サクラマス 』。。。
ネットに入って直ぐに・・・フックは外れていた・・・。

ポケットから取り出したストリンガーのロープが絡んでいる、
そして、それを解こうとして初めて気付いた・・・・・手が震えている・・・・・苦笑。

今年も、〝彼女〟に出逢えた幸運に・・・・・
いつも快く送り出してくれる妻と娘達に・・・・・
そして、まるで自分のことのように喜んでくれる仲間に・・・・・

心から感謝! 感謝!!!



日時  平成16年3月25日 午前5時25分
河川  北上川
体長  54センチ

また、あの一文が頭をよぎる・・・。
さて・・・誰の言葉だったろう・・・。
誰が書いたものであっても、私は大好きだ!

『その輝き、その記憶はいつまでも私の中に残るであろう。
 その瞬間を忘れ去ってしまうことは無いはずだ。
 今後、さまざまな時間がその記憶を薄めていくかもしれないが、
 それは、いつまでも私の財産となって残るのだ。
 何の役にも立たないかもしれないけれど、
 その時の輝きは私だけのものなのである。

 釣りとはそうゆうものだ。』



                  初心に返ろう・・・・・ 何度でも、何度でも 

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