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2007年12月11日

07メモリアル Ⅰ


2007年も終わりに近づいてきました


とても幸せな事に 今年もまた 

記憶に残る魚達との 数々の『出逢い』が有りました

その中のいくつかを 画像 記録 釣行記 などで振り返ってみます


何度もご覧になった方もいらっしゃると思いますが(笑)

2007年度の締め括りと思って どうぞお付き合い下さいませ <(_ _)>






07メモリアル Ⅰ

2007年 1本目のサクラマスです

この魚に関しては 釣行記で振り返ってみます



出逢いの〝九〟


その日の朝、
今シーズン初めて、目の前に生きた桜鱒を見せつけられた!
それも、短時間のうちに2本もだ・・・
いつもは漠然とした希望でしかなかった事が、
明らかな確信に変わった。

今日、この川の何処かに〝彼女達〟がきっと居る。

朝駆け釣行の為、
やむを得ず、後ろ髪を引かれる思いではあったが、
フィールドを後にして一旦仕事に戻った。

そして考えた・・・・・
あの2本が釣れた場所・状況・ルアー・・・・・
極端に違うように見えるシチュエーションでありながら、
何処かに共通点は無いのだろうかと必死に考えた。
その結果、
自分に導き出せた答えはたった一つだった。
「誰も叩いていない場所・・・・・」
どんなに考えても、これしか思い浮かばなかった!

それが当たっているかどうかなんて解らない。
釣り人が、釣れない釣りを続けていく事が出来るのは、
少しでも「釣れる!」という希望を持てるかどうかなのだ。

午後からのキーワードが決まった。
「誰も叩いていない場所・・・・・!」

仕事を終え、
逸る心を押さえながら車で移動していた時、メールが届いた。
それは、友人のタカさんからで、
≪ポイント・チェリー≫で、桜鱒をバラシたとのことだった。
どうやら、昨年私がバラシた場所の近くらしい。
これで、またキーワードが重なった!
「誰も叩いていない・・・・・」

迷いのあったポイントの中の優先順位がすっきりと並んだ。
まず初めに向かったのは≪ポイント 310≫
ここは、昨年から気になっていたポイントで、
気分良くウェーディングの出来る場所だ。
川幅は広いが、流れの芯までルアーが届く。

丁寧に川岸に添ってルアーを通す。しつこく・しつこく
水際からの反応が無い事を確認して、
そして初めて流水の中に一歩を踏み出していく・・・
とても気持ちが良い!
透き通った水が脚の間を流れていってヨレを作る。
遠く正面に見える水面の変化も、
ボトムにある何かがそれを作っているのだ。

それから1時間、夢中になってロッドを振っていた。
一投、一投、実に単調な繰り返し・・・・・
次の瞬間に来るかもしれないバイトを信じて、
あっという間の1時間だった・・・・・。

ふと、電話が鳴った。Tさんが私に用事があるらしい・・・
そこで初めて、
振り始めてから1時間も経っていたことに気がついた。
そこでやっと、このポイントに見切りをつけて移動を決めた。

移動した先で、友人達と言葉を交わす。
朝からの状況を聞いてみると、なかなか思わしく無いという。
結局、朝のあの2本以降出ていないというのだ。
そんなはずは無いと思いながらも、自信が崩れ始めていく。

友人達と離れて、次のポイントへ向かった。
≪ポイント・TB下流≫
ここは、今期になってからのお気に入りで、
以前にも何度か入った事があるのだが、
ウェーダーを履いていないと入れない場所だ。
だから・・・・普段は誰も入っていない。。。

目の前に上流から流れてきた流木が沈んでいる。
もしもここで掛かったら・・・嫌な障害になりそうだ。
そうは思ったが、
もう2m踏み出すのが嫌で、そのままにしておいた。

第一投目・・・・・
スカジット・テッペンスプーン、昨年のヒットカラー。
ところが、指の掛け方が悪くキャストミス!
ブチッ!と音がして、ラインブレイク・・・
お気に入りだった勝負スプーンは、
あえなく、桜鱒の神様への貢物になってしまった。

気を取り直して、新しいスプーンをラインに結ぶが、
妬けになって、根掛かっても惜しくないものを選んだ。
大好きなリョウビ・サクラマススペシャル18g。
ところが、どうにもカラーが気に食わずに・・・
中々出番の無い可愛そうなヤツなのだ。

フルキャストして着水!すかさずリーリング。
スプーンのアールが水を掴んで、ブルンブルンと震える。
大きなU字を描いてスプーンが手元に帰ってくる。
20投以上してから、ふっと思い出した。
「根掛かっても惜しくないスプーン」なのに、
ボトムを切っているじゃないか?
次の一投でフルキャスト後にカウントダウン。
トン!とスプーンがボトムにコンタクトした。
スッとリフトしてゆっくりとリーリング・・・
「何だよ!もっとボトムを確認しろよ!」
自分の中からそんな声が聞こえたような気がした。

次の一投は最も神経を尖らせたものだったと思う。
着水後、フリーフォールさせてカウントダウン。
トン! とボトムに落ちた。
ラインが水の流れに耐え切れずに下流に膨らむ。
その抵抗がスプーンをボトムから持ち上げようとする。
竿を立てて、思いきってスプーンを少し吊り上げる。
ラインが直線に近くなったところでスプーンを落す。
トン!すでに1m以上は下流に移動しただろうか?
ラインを張って吊り下げた状態のまま、
スプーンに受ける水流の強さを意識する。
ココン!クッ!トン ズズッ・・・
スプーンが何かに触るたびに、
ラインがその感触を手元に伝える。。。。。

順調に下流へ下流へと流され続けていたスプーンが、
ふっとその移動を止めた。
「あぁ、ここで捕まったかぁ~!」
何かのストラクチャーがスプーンの流下を遮ったのだ。
「ちっきしょう」と言いながら、グンッ とロッドを煽った。
大概、ここでスポッと抜けてくれればスプーンが助かる。
しかし、ググッ!と重みが乗ってスプーンが動かなくなった。
「うわぁ、根掛かってしまった~!」
決して、惜しくは無いスプーンとはいえ、
川底にスプーンを残したままにする事は、気分的に良く無い。

「まいったなぁ~」と言いながら、
出来れば抜けないものか?と
思い切ってロッドを力いっぱい煽ってみた。
すると・・・・・
ググンググングンッ!と根係りが〝動いた〟・・・・・
「えっ!?うわぁ~!魚だぁ~!!!!!」
ロッドを持つ手に力が入る。
グングングンッ! 
間違いの無い〝彼女〟特有のヘッドシェイク。
あまりに突然のヒットに頭の中は真っ白だ・・・

〝彼女〟の抵抗と水流の押しによって、既に10mは流されている。
必死になって耐えてはいるが、
ドラグが悲鳴をあげてジリジリとラインを出す。
MHのシーマが頼りなさげにバットから曲がる。
これ以上出されてしまったら獲れないかも知れない!
と思った瞬間に〝彼女〟の動きが止まった。
ヘッドシェイクによる逃亡計画は諦めたらしい・・・
何とかして主導権を握りたくて〝彼女〟の頭をこちらに向かせる。
しかし今度は上流へ向かって一気に走った。
まるでジェット推進でもあるかのようなトルクフルな突っ込み。
何度も何度も、右へ左へと生き残りを賭けた抵抗を試みる。
そして、これだけの抵抗を何とか凌いでいるうちに、
こちらにも、僅かに余裕が出てきた。
これだけ暴れていてもフックアウトしないって事は、
間違いなくベストな場所にフッキングしているはずだ。

いつの間にか〝彼女〟との距離も確実に近づいている。
後は、体力の落ちた瞬間を見極めて足元まで寄せるだけだ!
しかし、頭の何処かに最後の突っ込みを予想しながら、
それに対処するだけの余裕を残しておかなければならない。
良しっ! もう少しでランディングネットの届く距離だ。

ところが、ドラマはまだ終わらない・・・
〝彼女〟には、
もう最後の抵抗をするだけの体力すら残っていなかったのだが、
僅かばかりの〝運〟が〝彼女〟の味方についた。
〝彼女〟は、最後の望みを目の前に横たわる流木に賭けたのだ。

幹そのものは、大人の手首程の太さしかないのだが、
そこから枝が何本も何本も伸びていて、
まさしく、気持ちの悪い障害物になっていた・・・・・
ロッドの長さを一杯に使って、避けようとしたのだが、
グルグルと絡みつかれてしまい、
結局、私も〝彼女〟も動けなくなってしまった・・・・・。

今度は、私が試される番なのだと思った。
ネットを伸ばして掬い上げようとしてみたが届かない。
やはり2m、踏み出さねば〝彼女〟には届かないのだ。

意を決して一歩踏み出す!
一気に水面が膝の上から腰を超えた・・・
これ以上深くなったら、命の危険さえ?
右足に体重をかけて底の硬さを確認してみる。
大丈夫!これ以上は沈まない。。。
そしてもう一歩踏み出す!
目指す〝彼女〟は、もう目の前だ!!!!!

私の勝因は、チェストハイのウェーダーを履いていた事!
〝彼女〟の敗因は、流木に絡みつく前に、
抵抗する体力をほぼ使いきっていた事!

ランディングネットに納まった〝彼女〟は、
私の想像を超えるほどに衝撃的だった!
艶かしいくらいの美しさも然る事ながら、
見た事も無い程の「太さ!」なのだ・・・
まさしく、堂々とした体躯。白銀に輝く魚体。
これまでの〝彼女達〟が霞んでしまうほどに・・・

07メモリアル Ⅰ

日時  平成19年 3月24日 午後2時15分
河川  宮城県 北上川
体長  60cm
体重  3.2kg

ロッド シーマ CM-X 862HFS
リール ダイワ セルテート3000
ライン ファイヤーライン クリスタル 18lb
ルアー リョービ サクラマススペシャル 18g
    (ヤムトランドカラー オレンジ)

3kgを越える桜鱒と闘って、初めて知った事実。
何故、大物だけを求め続けるアングラーが存在するのか?
その理由が、少しだけ理解出来るような気がする。

桜鱒の新たな可能性・・・・・
その価値基準は自分自身の内側にあるのだ。
自らがハードルを高くして、奇跡の出逢いを演出する!
たった1匹との出逢いが、また新たな扉を開いてくれる。
その扉の向こうには、
もっとワクワクするような、新しい世界が待っている。
「終わりのない旅」とは良く言ったものだ。

さて、今度の〝彼女〟はどんな姿をしているんだろう・・・




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