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2008年02月27日

≪出逢いの記録≫

今回も「釣行記」を書きました

過去の釣行記とは 別の意味で力が入りました

内容を読んで頂ければ 解りますが 少々重いです

読み終わって 「不愉快」になられる方が居るかもしれません

あくまでも個人的な事柄を書きましたので 公開も躊躇しました

「だったら 出さなきゃいいじゃん!」 と言われるかも知れません


しかし

たとえ一人でも「待っているよ」と言ってくれる方が居るだけで

何かを書く という事に意味があると考えます

ブログを続けていく〝ちから〟になると感じています


     どうか 暇つぶし程度に 軽く読んで頂ければ幸いです

 

『サクラマス釣行記』 ≪出逢いの十三≫

≪出逢いの記録≫



悲しい、別れの日に咲いた花一輪・・・


 非常識だと笑われるだろうか?

 不謹慎だと罵られるだろうか?


自分勝手な屁理屈かも知れない事は、
百も承知で、あえて私はこう想いたい。


『 伯父さんが、巡り逢わせてくれた奇跡 』






家内の母親の兄
つまり、私にとっては「義理の伯父さん」にあたる人。
家内と結婚してから20年。
義理の関係としては珍しく、何度もお会いした事があるが、
その度に優しく声を掛けてくれた。

「釣りっこさは、行ってだのすか?」
 (釣りには、行っていたんですか?)


「はぃ、行ってゃでば!好ぎだっか・・・」
 (はい、行ってましたよ!好きですから・・・)


「ほぃづわ、いいね」
「好ぎなごどが有るっつのわ、いぃごった!」
 (それは、良いね)
 (好きな事が有ると言うのは、いい事だよ!)



その伯父さんが先日他界し、
家内と一緒に『 葬儀 』に参列してきた。

ゲートボール仲間からの「弔辞」は、とても暖かく・・・
朴訥とした話し掛けに、思わず目頭が熱くなった。
また、孫娘からの「別れの言葉」を聞く頃には、
もう、溢れる涙を止める事は出来なかった。




帰宅して着替えを済ませ、
遅い昼ご飯を食べていたら、家内が声を掛けてきた。

 「釣りには行かないの?」

 「良いのかなぁ~?」

 「良いよぉ~ 行ってきたら?」

 「んじゃ 行ってこうようかな!」

 「1時間ぐらい、覗いて来るよ!」

家内の心遣いに感謝しながら、
車に積みっ放しの道具のまま、ポイントへ向かった。
時刻はすでに、午後の3時半をまわっていた。

何処でもいいから、とは思ったが、
出来れば知り合いが居そうな場所か、
出来るだけ風の当たらない場所と、ポイント「G」へ
対岸には、友人の「N君」が居るようだ。
こちらが土手を下りて行くと、彼が私に気づいた。
こちらへ向かって右手を高く上げている。
こちらも、彼に向かってロッドを上げる。

先ずは、素直に正面に入った。

手にしているロッドは、ミノー用の7.7ft。
昨日使いっ放しで、ラインまで通したままに、
オイオイ大丈夫か?と苦笑した。
とりあえず、あまり潜らないヤツを選んで・・・

「シュマリ ミディアムディープ 金黒OB」を結んだ。

ややアップクロスに第1投をキャスト!

所々でボトムの何かに当たってはいるようだが、
根掛りも無く無事に戻って来た。

十数投して、何の反応も無いので、
ボトムはどうだろう?と考え、スプーンに替えてみた。

しかし、セルテートに巻かれていたラインは、
ミノー用のナイロンライン。
ボトムを転がすように流してみたが感度が悪い。

やっぱりミノーが良いと判断して、また取り替える。
同じ場所に立っていると、やがて飽きてくるもので、
10mほど上流に移動した。

ここでもやっぱり、付けたままのシュマリ。
今度は十投ほどで飽きてしまった。
そして、またまた10m上流へ移動・・・

普段だったら上流から下流へと、
丁寧に刻みながら移動して行くものなのだが!
何か、心此処に有らずという感じなのだ。
殆ど惰性でキャストを繰り返していた。
思考力も集中力もさっぱり沸いて来ない。


扇形に3投ほどして、更に上流へとアップにキャスト!
丁度リトリーブのコースに水流のヨレが有り
何是か気になったので、少し早巻きで通す・・・

 グンッ!  おっ! 何だ?・・・

力いっぱいに合わせを入れる!
そして、思いっきりテンションを掛けて聴いてみる?

どんなに引っ張ってみても、
それっきり、ビクとも動かない・・・地球だ。
やれやれ、と思いながら
ゆっくりと引っ張ってみてもラインが切れない!
スプールを固定して
ゆっくりと身体ごとテンションをかけて曳く。
ナイロンラインは延びきったところで意外に粘る!
12lbのライン強度に、
大概の場合で、根掛りルアーは回収できるものだ。
キリキリとラインが悲鳴をあげているのに中々抜けない。
参ったなぁと、もっと引っ張ってみた・・・

 「クンッ!」・・・ぷっつりと切れてしまった。。。

とうとうシュマリは、
「サクラマスの神様」への貢物となってしまった。


水際から離れて、システムを組み直す。

この時に、先端の約5mにキズが無いかをチェック!
そして、決して手を抜かずに・・・
ビミニを丁寧に作る事を、去年から心掛けている。

ダブルの先端を切って2本に縒りを入れて、
スナップを固定して終了。

さぁ、気分を変えて再開だ!
もう一度、何かミノーを・・・と思ったけれど、
どうせ、また引っ掛かりそうだったので

今度は

「リョービ S・S 18g オレンジ」を選択した。

フルキャストしてボトムまで落す。
ロッドを立ててラインにテンションをかける。
なかなか感じ難いが、順調に流れて行く。

何にも遮られずに、下流まで流れきってターンした。
今度はスプーンのアールが水流を受けて泳ぎだす。
何回かの安定したウォブリングに、
「グルン」とイレギュラーなダートが混じる。

私が、このスプーンの一番好きなところだ。

程無く、スプーンが最後まで泳ぎきって、
ロッドティップ直前まで戻って来た。


またキャストして、戻ってくるまで・・・
同じ動作を何度も繰り返しているうちに、
感覚が麻痺したように、
自分が「釣りをしている」事を忘れていた。

記憶にあるのは・・・
数時間前まで参列していた「葬儀」の事を、
ふと思い出していたような気がする。という事。



と、突然!

グゥーーーーーン! と

ロッドを持って行かれそうになった!
何が何だか解らずに、
とりあえずロッドをシッカリと握り締めた。

ルアーが何かに引っ掛かって、泳ぎを止めたのだ。
何処か遠くを見ていた視線がハッキリして、
何事か?と我に帰り、ラインの先を見た。
水中で何か、白い物がグニャグニャと動いていた!

はっ! として、
夢から覚めて現実の世界に連れ戻されたようだった!

間違い無い! 〝サクラマス〟だっ!
慌ててロッドを寝せた。
重みは確かに乗っている。

PEラインのようにはっきりとはしない、

グゥン!グゥン!グゥーーーン! といった

確かな手応えは伝わって来る。
しかし、ゴツゴツ感が無いので少しだけ不安になる。

何故か〝彼女〟は、あっけなく首振りを諦めた?

そして、上流に向かって勢い良く突進した!
しかし、ラインに引き戻されるように、
もんどりうって仰向けに倒れる。

あっと言う間に体勢を立て直した〝彼女〟
今度は力の限り、全身を露にしてジャンプした!
ラインテンションが緩む・・・・マズイ。
大きく仰け反り、早巻きでスラッグを回収。
何とかテンションは保った・・・・・

そこで、急に〝彼女〟の動きが穏やかになった。
いや、正確に言えば・・・・・
目の前でガバッゴボッと暴れてはいるのだが、
本気のモードがややトーンダウンした感じ?

私は、直感的に「今なら掬える!」と判断した。


後で聞いた話であるが・・・
対岸では「N君」が早い段階からヒットに気づき、
遠くから、私のやりとりを見ていたそうだ。
私の目の前で上がる水しぶきに、
完全に〝サクラマス〟だと確信したらしい。

私が、あまりにも早い段階で、
ランディングネットを持ったので驚いたという。

私も「N君」も同じ考え方をしている事がある。
 
☆まだまだ魚が、余力を残している状態で、
 早く掬ってしまおうとする人が多すぎる。

☆最高のクライマックスであるランディングは
 よほどの事が無い限り、他人任せにはしない。


彼とは、日頃からそんな話を良くしている。
そんな私が、早い段階でネットを持った事が、
今でもとても不思議だと言う。


何かに誘われるように、
トトトンと伸ばしたネットを手前に静かに沈めた。
ラインの角度を調整して・・・・・
優しく、そっと〝彼女〟をネットへと誘う!
ネットの上まで「曳かれるまま」だった〝彼女が〟
突然に〝我に帰った〟ように潜った!

・・・ネットの中、奥深くへと・・・

≪出逢いの記録≫


ネットインを確認して、
水面から引きずり上げて初めて、
全身から全ての力が抜けて行くように感じた。

≪出逢いの記録≫

ネットの中でおとなしくなった〝彼女〟
なんと、グラマラスな魚体!
その体高と太さに驚いた。
先週の〝彼女〟は1.1kgだったが・・・
今回の〝彼女〟は3.0kg!

≪出逢いの記録≫

そして、
いつものように、フッキングポイントを見て、
場所と状態を確認しようとして『愕然』とした!

スプーンのテールリングに、向かい合わせて、
2本付けている自作のシングルフック。
何と!〝彼女〟の口に掛かっていない方の針先が無い?

ファイトの途中で何かに引っ掛るような事は無かった。

だとしたら、
ヒットする以前、つまりワレットの中にある時から、
既に、片方の針先は無かった事になる・・・・・。
以前に、根掛りを回収する時に折れてしまっていたのか?

本当に、今日の私はどうかしていた。
こんな大事なことすら確認もしないで使っていたのか?
ましてや、残った片方の針がフックアップするなんて、
何という≪奇跡≫のような確立だろうか?


この釣りを始めた頃から、いつも思っている事だが、
何十人、何百人の釣り人が居て、
その中の何人が、この≪奇跡≫を手に出来るのか?

その確立から言えば、私に釣れる確立なんて、
まるで、砂浜の中のひと粒の砂のような・・・

文字通りの ≪奇跡の出逢い≫ である。

とても傲慢で気障に聞こえるかも知れないが、
本心からそう思っている。

≪出逢いの記録≫

平成20年 2月24日 午後4時33分




   サクラマスを手にした「嬉しい記憶」と・・・

   

   伯父さんとお別れした「悲しい記憶」と・・・


まるで伯父さんが、

   「俺の事を忘れないでくれよ!」

              そう言っているようで・・・


 私の心の中に強く刻み込まれた この日を


        私は 生涯忘れる事は無いだろう・・・




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この記事へのコメント
こんにちは…
これは絶対に起こるべくして起きた奇跡の出会いでしょうね…。
おじさんが導いてくれた事に感謝ですね…。

お別れは辛い出来事でしたでしょうが…おじさんからのとっても素敵な、最後のプレゼントだと私も思います…!
Posted by naminosabaohnaminosabaoh at 2008年02月27日 11:36
 お疲れさまでした。
同様な話・・・村田名人の逸話でも聞いたことがあります。
私も祖母の四十九日法要前に釣っていましたから・・・。
生前、祖母が「お盆は絶対釣りに行ってはダメだど!」って言っておりまして・・・鬼籍に入った日が14日。・・・お盆は竿を休めております(苦笑)

 サクラは確率の釣りとしたら、分母(釣り人)の小さい方が出逢える可能性が高いのでしょうか。にしても、おめでとうございます。
Posted by utragame at 2008年02月27日 11:51
> naminosabaohさん
 こんにちは!初めまして(^^)ゞ
 時々、 naminosabaohさんのブログは覗かせて頂いておりました。
 コメントを頂きまして、本当にありがとうございます<(_ _)>
 そう言って頂けると・・・・・とても嬉しいです。
 今回のプレゼントは(そう思って良いのかな?笑)
 普段応援してくれている方々に少しづつ、お裾分けしてあげようと思っています。
 また、コメントを頂ければ嬉しいです♪
 私もお邪魔して宜しいでしょうか?(笑)
 今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。。。
Posted by kun坊 at 2008年02月27日 11:52
>utragameさん
 こんにちは!いつもありがとうございます♪
 そうでしたか、皆さん其々にドラマがあるんですね。
 お裾分けは、utragameさんがいらっしゃるまでは残っては・・・?笑
 お祝い♪ありがとうございます。
Posted by kun坊 at 2008年02月27日 12:16
再びお邪魔しました…。
おすそ分け、皆さん喜ばれるでしょうね…!

是非コメント残してください…笑。

それにつけても見事な魚体です!…3kgとは…。
こちらでは船で狙ってもなかなか見られませんよ。
まるで板のように幅が広いからか、板マスといって
皆、狙ってはおりますが…笑。

これからも宜しくお願いしますね…!
Posted by naminosabaohnaminosabaoh at 2008年02月27日 15:36
お疲れ様です ずっと待っていた奇跡の記録 印象的なお話でした 心ここにあらずの状況、無我、無欲の精神状態が 亡くなった伯父様の魂との融合しての釣果だと思います 釣ってやろうという気負いがない分ルアーがよりナチュラルに泳ぎ サクラマスの本能に刺激を与えたのでは...釣行の件ですが、釣り好きの伯父様だからこそ と思います 私も去年釣り仲間が急逝して 急に釣りに行きたくなった事を思いだしました 故人の好きだった釣りをする事で偲ぶ それが供養にもなるのでは 亡くなった人は二度とは戻る事はありませんが kun坊さんの心の中にいつまでも 別れの日の輝くサクラマスの記憶と故人の在りし日の記憶がいつまでも残ることと思います あくまで私の主観的な考えですから kun坊さんの心境や心情とズレがありましたら ごめんなさい
Posted by ゆうちゃん at 2008年02月27日 16:01
>naminosabaohさん
 ありがとうございます!
 覗かせて頂きましたが、10本というのはスゴイですね~♪
 船サクラ・・・恐るべし!ですねww
 私は13本獲るのに9年掛かってますから(笑)
 こちらこそ、どうぞ宜しくお願いいたします。
 もしも、宜しければ「お気に入り」に登録させて下さいませ。

>ゆうちゃん
 こんにちは(^^)/
 コメントありがとうございます<( _ _)>
 そう言って頂くと・・・とっても嬉しいです。
 「まったく、大袈裟だなぁ~」と思われるかも知れませんが(笑)
 年を取ってきたせいか、涙もろくなってしまって・・・

 ※あと、伯父さんは釣りをしない人でした!
  (書き方が解りづらくて、ゴメンナサイ・・・笑)
Posted by kun坊 at 2008年02月27日 17:12
お気に入りの件、ありがとうございます!
私の方はお気に入りの設定をしておりませんが、お許しください…!
これからも寄らせて頂きますので、よろしくお願いします!
Posted by naminosabaohnaminosabaoh at 2008年02月27日 19:15
kun坊さん
私の読解力が・・・ごめんなさい
移動中の車の中で読みましたから(危ないってね)

ブツありがとうございます
今晩のオカズにさせていただきますね~(寝れないかも・・ウフン)
おまけもありがとうございます!!

嬉しいです
お礼しますから待ってて下さいねー♪
Posted by ゆうちゃん at 2008年02月27日 21:46
それにしても幅凄いですねー
まさに板マス!!

実に旨そうです・・ジュるる~
Posted by ゆうちゃん at 2008年02月27日 21:49
私も40過ぎてから涙もろいですよ

なんにでも感動しちゃいます
連続コメントすいません!!
Posted by ゆうちゃん at 2008年02月27日 21:50
>ゆうちゃん
 おはようございます!
 旨そうでしょ?(笑)画像だけでゴメンナサイ(^^)ゞ
 いえいえ、お礼なんて何にも要りませんから・・・
 コメントだけ頂ければ、嬉しいです♪
Posted by kun坊 at 2008年02月28日 08:56
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